CONCEPT コンセプト

再び覚醒め、深めてゆく都市との絆

『ザ・パークハウス神戸タワー』は、歴史の重みと凄みを実感する旧ファミリアホールの荘厳な佇まいを保存・復元することにより、100年を超える、この地の永い歩みと向き合いながら、次代へ誇れる建築を目指し建てられています。

美意識溢れるルネサンス様式の建築

旧ファミリアホールは、ルネサンス様式の左右対象な意匠が印象的な洋風近代建築です。正面玄関にあたる意匠は、1階は切り石積みで、その上にはペアになったギリシャ古典建築様式であるコリント式の柱がありました。繊細かつ緻密なデザインで構成されたその佇まいは壮麗で、栄町通の栄華を伝える貴重な景観遺産として、古きよき時代の美姿を魅せてきました。また、戦後、惜しまれながら姿を消した歴史的建築物が多い中で、この建物はかつて頂部にあった三角のペディメント(切妻屋根)は失われたものの、玄関部のアーチ、ガラス張りの高天井など重厚な容姿が今に残されてきました。歴史的価値が高く景観上重要な建築物などが対象となる神戸市・景観形成重要建築物等には、2000年に指定されました。

保存・復元プロジェクト

ルネッサンス洋式の建物の外壁2面を保存・復元し、タワーマンションの基壇部を形成するにあたっては、多くの困難がありました。現存していない建物の図面を新たに描き起こすため、建物全体を3次元スキャニングし、壁面測量などが実施されました。また、完成から100年以上を経た建物をくまなく調査し、その上で「残し方」について熟考が重ねられました。住宅としての安全性を重視した上で、歴史的な建物を保存するために、外壁の石をひとつひとつ外す「生け捕り」という手法が採用されました。

生け捕りで残す外壁

「生け捕り」で解体して得た石材は約5000点。また、ひとつひとつ外壁の石を外したことで、当時の洋風建築は「組積造」が主流でしたが、この建物は石と煉瓦がお互いを支え合う特殊な構造により、耐震性を有していたことも分かりました。歴史的建築物から「住宅への変換」に向かって知恵が絞られ、様式美を継承し、景観資産の新たな未来が拓かれています。

※本計画は旧ファミリアホールの外壁のうち栄町通とハーバーロードに面する二面を基壇部に復元されたものです。
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